救済 あぁ無情
9月12日。地震後初めて店舗に足を踏み入れた時の様子
9月6日の地震は、新千歳空港に店を構える当店「ハスカップ」も被害にあった。
人命を失った人や家屋を押しつぶされた人に比べれば、微細な被害と言えないこともないが、零細商店の経営者としては、保険の適用外という事で途方に暮れている。
1週間営業出来なかったことや、客数の減少は致し方ないとしても、破損したり、溶けて廃棄処分にした商品は保険で対応してくれると思っていたところ、地震による被害は適用外との回答。
空港の関連会社のセントラルリーシングシステムの勧めで加入している保険で、企業総合保険。
保険料は月5000円程でさして高い金額ではないが、補償の対象となる物件の内容を見ると括弧で(除く地震危険補償)と虫眼鏡で見なければわからない文字で記載がある。
それによって破損した商品や停電で溶けたハスカップの実やアイスクリームなど一切の補償はゼロ。加えて1週間休業したことに対する空港の補償も無し。
何でも地震による被害については契約上しなくてもよい事になっているそうで、契約を盾にけんもほろろに拒否された。
契約書にきちんと目を通していないこちらの落ち度でもあるが、然らばどんな時に補償が効くのかをじっくり保険の契約証を読んだら、啞然とした。
風災,雹(ひよう)災、雪災,車両、航空機の衝突などには適用されるとのこと。
どこに雹が降って建物に穴が開いて店舗の商品に被害が出るというのか。
おまけに盗難もダメ。万引きなど考えられる災難には適用しない。
どう考えても起こりえないような災害を対象にしているようで、保険会社のまやかし的な契約内容には、とても素人では太刀打ちできるものではない。
これらの事情については当方の無知識によることが原因なので嘆いてみても詮無いことだが、今回の地震で最も腹立たしかったことは、空港の不誠実な対応にほかならない。
それぞれ店舗によって、毎月の最低売り上げ額が決められている。1週間も休業したので、達成できなかった場合、どうなるのかと思い担当の部署に電話をしたところ、月末が日曜日ということもあって電話番の女の子しかおらず「分かりません」とのこと。
少なくとも空港は公的使命を担っている企業でないかと思う。それが月末の締めの時に責任のある者が一人として居ないというのは、テナントをないがしろにしているとしか思えない。
最低保証金額に達成出来ない場合,ペナルティの額が大きいので、何としてでも達成しようと、私は勿論、社員にも協力してもらってやっとの思いで目標の売り上げにした。
それだけ必死で売上を上げたのに、一夜明けた10月1日の月曜日、朝、担当者から1週間休業した分の保証料を値引きしてくれるとの通達。
あとの祭りでないか‼
それならそれで、9月末までに知らせてくれるのが、筋でないかと抗議したら、言うに事を欠いて「今決まったことです」との話。
100件以上のテナントの保証料を1日の朝9時に出勤して10時までに算出できるとは思えない。
少なくとも9月末には算出していたと思う。
意地悪な見方をすれば、黙っていれば私共のようにシャカリキで売上げを上げるとも限らないので、素知らぬふりをしたのではないかと勘繰りたくなる。
然らば10月の売り上げから値引き分を差し引いてくれるでもないので、まったく弱小テナントとしては、憤懣やるかたない。
それに、友人等から見舞いのはがきや電話を頂くが、テレビのセリフで「同情するなら金をくれ」とはよくぞと思うが、さすがにそれは言えないので、「ハスカップ買って頂戴」と訴えているが、どうも日頃の言動が災いしているのか切実さが伝わらない。10キロ、いや20キロ痩せたら悲壮感がでるかな❓
「体形だけでなく、顔洗って出直せよ」とのご神託でした。
2018年11月15日
新千歳空港 ハスカップとアイスワインの専門店
ハスカップ
三ッ野由希子