イソップ物語
以前、テレビで、これはユニークで面白いと思ったコマーシャルに、オージンジ、オージンジと言うのがあった。
タクーシに乗る際、部長代理からどうぞと言ば、相手は課長からどうぞと譲る。そのうち業を煮やした女子社員が乗って発車してしまうというストーリーと、もうひとつが爺チャン婆チヤン親、兄弟、家族皆がお兄チヤンにおんぶ、おんぶで押し潰されそうになりオージンジ、オージンジ。
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求人広告を出しても、千歳市の場合空港という大きな職場があるせいか、なかなか人が集まらない。そこで今問題になっている派遣社員をやとってみた。営業マンの名刺を見たら、オージンジ、オージンジの会社だったので、何となく愉快な気になって愉快ついでに契約した。
契約後よく内容を読むと時給1470円。1400円に70円の消費税との事。別の人材派遣会社からきているマネキンさんは1日8000円でそれに消費税は付いていない。
人件費に消費税が付くのが納得いかなかったのと、
時間外手当が5分単位で基本給の25パーセント割増。週40時間を越えたら25パーセント割増。
と言うことは8時間勤務なら5日出勤、それが6日働かせると35パーセント割増。深夜になると更に50パーセント割増。当社のパート職員に比べると倍近い時給になる。
聞くと本人の手取りは時給950円で交通費は自己負担とのこと。派遣会社が差額520円を得ているわけで1日当社が支払う11760円のうち4160円約35パーセント以上を派遣会社が得ていることになる。
派遣切りが社会問題になっているが、雇用する会社側だけの問題でないような気がする。
派遣会社も言葉は悪いがピンハネをしているのだから、コマーシャルに大金を支払うよりも登録している人たちに対する責任も負うべきでないかと思う。
派遣社員も製造業の場合、深夜労働や時間外手当などで手取りは多かったはず。
それに宿舎が与えられていたことからしても家賃の負担が殆んどなかったのではないかと思う。
これまで働いて得た収入はどうしたのか不思議な気がする。
年越しが出来ないと言ってデモをしたり、公園で寝泊りする様子をテレビで観ると、イソップ物語の蟻とキリギリスの話を思い出す。
冬に備えせっせと食料を巣穴に運ぶ蟻を後目に、飲めや歌えやで楽しく遊び呆けていたキリギリスが、厳しい冬を向かえ路頭に迷う話を、子供の頃聞かされたが、今この歳になるとしみじみ身につまされる。
親の意見と茄子の花,千にひとつも無駄は無い。