傘寿を迎えて
おめでとうございます。
新しい年を迎えても、気分が晴れやかにならないのは、やはりコロナのせいでしょう。
昔は怖ろしいものの順番が、地震、雷、火事、親父でしたが、今は、コロナ、地震、ゲリラ豪雨。親父などは、物の数にも入らないでしょう。
2020年を振り返って特記する事と言えば9月5日傘寿を迎えたことでしょうか。
コロナで祝賀会が出来ないのでということで、お菓子作りの得意な社員が、大きなデコレーションケーキ風のシーフオンケーキを作ってくれた他、日本橋の高島屋から今治のバスタオルを取り寄せてプレゼントしてくださるではありませんか。
サプライズの心遣いに胸キューン、瞼ウルウルです。
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さて傘寿。
80年もよくぞ、生きてこれたものだと、つくづく思います。人生100年とはいえ、私的には充分楽しく豊かな日々を過ごしてきたので、いつお迎えが来てもいいやと思うのですが、社員からは「そんなこと言わないでください」と猛反撃を喰らう。その都度「倒れても救急車など呼ばないように。尊厳死協会に入会しているので、延命措置などしないように」と日頃言っているが、どうも納得してくれていないようで、はなはだ気がかりですわ。
私は親、子供、身内の類がいないので生へのこだわりがない。
しいて言えば昨年計画していたスイス旅行が中止になったので、氷河特急に乗れなかったのが心残りですが、あと望みといえば何かなと思いめぐらしても大したものはない。
やはり最後の望みは、人様の手を煩わせることなく人生の幕を下ろすことに尽きる。
藤沢周平の文章に 私は所有する物は少ないほど良いと考えている。物を増やさず、少しずつ減らし、生きている痕跡をだんだん消しながら、やがてふっと消えるように生涯を終えることが出来たら、幸せだろうと時々夢想する。
同感です。
新年早々縁起でもないとのお叱りを受けそうですが、80過ぎのバーバーの心境はこういう事ですわ。
2021年1月5日
新千歳空港ターミナルビル
ハスカップとアイスワインの専門店 ハスカップ
三ッ野由希子