初体験―さくらんぼ狩り
さくらんぼの取り方の看板
たわわになった上山農園のさくらんぼの木
この歳にして初めてさくらんぼ狩りを体験させてもらいました。
昨年ハスカップが品薄で困っていた時、助け舟を出して下さったのが帯広にある上山農園さんで、お礼かたがたどんな農園なのか伺うことにしました。
丁度さくらんぼ狩りの真っただ中で、たくさんの親子づれが来ていました。
小型トラックの荷台に乗って小高い丘に植えられているさくらんぼ畑に案内されましたが、空が見えないくらいのさくらんぼのトンネルでどれから採っていいやらウロチョロしていたら、一緒に行った友人が「ハイ」と言ってもぎたてのさくらんぼを手渡してくれました。はちきれんばかりの果肉と瑞々しい美味しさで、これがもぎたての味なのかと感動しました。
採り方にもコツがあるらしく,下の方へ引きちぎるのではなく、軸を上の方向へ向けてもぎ取るようにと教えられました。その道その道の奥義があり、やみくもにとってはいけないのです。なるほどと感心するばかりです。
また種類も佐藤錦、南陽、紅秀峰等私がよく買っているもののほかにアメリカンチェリーのような色のナポレオン、真っ黄色の月山など珍しい品種のさくらんぼも御馳走して頂きました。
友人は夢中でさくらんぼを取っていましたが、サクランボ畑の横にはハスカップの畑が、それも大粒の実をつけた立派な樹が一面広がっているではありませんか。
ハスカップ狩りに切り替えたいところでしたが、私の動きでは500g採るのに日が暮れそうなので諦めました。
上山農園のハスカップは粒も大きく果汁たっぷりの実で、手塩にかけて作っていることが伝わってきて、その労をねぎらいた気持ちになります。
社員のお土産にもぎたてのサクランボを沢山買ったところ、従業員の方にと言って山盛りのサクランボを頂きました。
大粒のハスカップの実
帰りは美瑛町にできた中道博さん率いるレストラン「ビブレ」へ立ち寄りました。
小学校の廃校跡を利用してレストラン、宿泊施設、それにシェフを目指す人材を育成する塾を併設した施設で,生徒はみな寮生活をおくっている。
塾長を務めているのが洞爺湖サミットで特別顧問をしていた斉藤壽さんで、中道さんのレストラン、マッカリーナやランファンキュレーブなどをプロデュースした方で食の世界においてはこの方を知らない人はいないという御仁で、食に関する造詣とセンスは、私の知る限りでは一番でないかと思う。
驚いたのはダンデイなイメージの斉藤さんが真っ黒に日焼けして、前掛け姿で登場。
「百姓をしているんですよ」とのこと。
塾生と一緒に野菜作りをしていて、レストランの窓越しに広がるキガラシの畑も小麦を植えてその粉からパンを作るのですと、目を輝かせて説明している姿は青年のように感じられて、私まで元気のおすそ分けをしていただいた気になった。
ディナーは、これまで私がたべた中道流のスタイルとはちょと違った印象で、一皿一皿感動する内容ではなかった。
ただ工房で焼いたパンを温めた小豆の上にのせてそれを麻の袋に包んで運んできた。
焼きたてのパンが冷めないようにとの工夫はおしゃれだな〜と感心した。
麻袋に入れて提供される焼きたてのパン
レストランの窓越しに広がるキガラシの畑を夕日が染めていく様子を眺めていると、時のたつのを忘れさせてくれる。
このロケーションは美味を求めるよりも心身の安息の場として有効ではないかと感じたし、また別の季節に訪ねようと思う。
レストランの窓越しに広がる綺麗なキガラシの畑
一面黄金色に輝くキガラシ畑
2015年9月3日
新千歳空港 ハスカップとアイスワインの店
ハスカップ
三ッ野由希子